未来の水耕盆栽のカタチ

養液(水耕)栽培は、土を使わず、さらに栽培環境を人工で管理するので、土耕栽培よりも栽培条件(例えば“場所”など)の縛りがずっと少なくなります。

しかし、それでも養液栽培のDFT(湛液型水耕)やNFT(薄膜水耕)などの施設は、ある程度の“場所”が必要になってしまうと思います。

そこで、予測した「未来の養液栽培のカタチ」を只今、実験しています!

IMG_1331
盆栽の水耕栽培(未来系)

従来の流水系の水耕装置を使用せずに、直接、養液をチューブで樹木の道管に打ち込んで、水分と養分を補給してあげる方法です。

まずは土耕栽培の盆栽に、チューブを打ち込んだ実験。(土に水は一切与えません)

IMG_1337
土あり(道管に直接打ち込み)

IMG_1340

続いては、土を完全に取り除いた状態での実験。

IMG_1338
土なし(道管に直接打ち込み)

IMG_1339

イメージしたのは、東京大学人工心臓室で、人口心臓を埋め込まれている「アンドロイドヤギ」です。

droppedImage_1.png
東京大学人工心臓実験室より

 

土を使わず、水で育てる盆栽「AQUA BONSAI」の詳細はホームページから↓

「AQUA BONSAI」のホームページはこちら

AQUA BONSAI Instagram   AQUA BONSAI facebook   AQUA BONSAI Twitter

水耕栽培できる盆栽

どんな盆栽の樹種でも水耕栽培できるのですか?と聞かれることがありますが、今のところ、答えはYES…ともNO…とも言えません。

水耕栽培の研究者の先生が「土で育てられる植物はすべて水耕栽培できる!」とおっしゃっる通り、理論上はどんな植物でも水耕栽培できると思いますが、水耕栽培でも育つ環境条件を見つけることは容易ではありません。

現在、盆栽の樹種ごとに、室内での水耕栽培をしていますが、なかなか水耕栽培に適さない盆栽の樹種もあります。

FullSizeRender
盆栽の樹種ごとの水耕栽培実験

<水耕栽培に適している盆栽> ⇒カエデ、宮様カエデ、モミジ、シシガシラ、黒松、五葉松、ニレケヤキ、ヒノキ、石化ヒノキ、南天、まゆみ、ズミ、ツル梅、イワシデ、ビワ、杜松、台湾ツゲ、サルスベリ、長寿梅、香丁木、真柏、八つ手、ツタ、イチョウ

<水耕栽培が(現時点で)難しい盆栽> ⇒エゾ松、サンザシ、チリメンカズラ、桜、雪柳、ベニシタン、姫乙女バラ、コナラ、ブナ、カリン、竜神ツタ、グミ

<水耕栽培できるが条件(光など)を調整する必要がある盆栽> ⇒イボタ、ハウチワカエデ、アケビ、野バラ

土を使わず、水で育てる盆栽「AQUA BONSAI」の詳細はホームページから↓

「AQUA BONSAI」のホームページはこちら

AQUA BONSAI Instagram   AQUA BONSAI facebook   AQUA BONSAI Twitter

街中でも「養液栽培」がある?

最近、壁一面に植物が生えているビルや商業施設をよく目にしませんか?「壁面緑化システム」と呼ばれ、歩行者に安らぎを与える効果やヒートアイランド対策に有効とされ、今、注目されている技法です。

この壁面緑化システムも、土を使わずに、水ゴケや吸水性のあるスポンジなどを使って、(肥料の入った)水を循環させているので、いわば、養液栽培の一種と言えるのでしょう。

サントリーミドリエさんでは、そんな壁面緑化を家庭でも気軽にできる商品が販売されています。

IMG_9419
ミドリエデザイン

「パフカル」という吸水性に優れ、空気を十分に含んだ特殊なスポンジを使った、壁掛け用の栽培容器(観葉植物付で4881円)です。1週間に1度、上の穴から水を入れればいいので、とてもお手軽な栽培容器です。本来は観葉植物用なのですが、私はカエデ、松、ツタ、シダなどの盆栽を植えて育てています。

この特殊なスポンジを使って、さらに盆栽に合うように壁掛け用を自作しててみました。

IMG_2737
壁掛け日本庭園

木のボックスを作り、前面を丸くくり抜き、日本庭園をイメージして、白玉石と苔で覆っています。土を使わないので、すごく軽いので、小さなピンなどで簡単に壁に取り付けることができます。

IMG_5071
壁掛け日本庭園(松)

 

IMG_2960
壁掛け日本庭園(モミジ)

室内で日本庭園が楽しめるって何かいいですよね。まだまだ試作段階なので、もっとデザイン性を磨いた商品を完成させようと思います。こうご期待!

「AQUA BONSAI」のホームページはこちら

AQUA BONSAI Instagram   AQUA BONSAI facebook   AQUA BONSAI Twitter

「水で育てる盆栽」って自作できる?

AQUA BONSAIは、土植えの盆栽を(土を取って)そのまま水に入れたものではありません。それでも育たない事はないのですが、(私の観察では)環境に比較的強い盆栽の樹種でも、約2か月くらいで枯れてしまう事が多いようです。

そのため、AQUA BONSAIの盆栽は、まず土を綺麗に取った後に、水に慣れさせてあげるために、特殊な(水の流れる)装置に入れて約2~3週間栽培しています。そこで、ある程度、土から水に盆栽を適応させてあげて、専用の器に入れています。

栽培する時の水も、水道水では栄養不足になって枯れてしまうので、AQUA BONSAI専用の液体肥料やpH調整剤(水を弱酸性にする)を指定量、水に添加し、その盆栽にあった「栽培水」を作ってから栽培します。

_MG_1277
AQUA BONSAI専用の栽培水を使用する

水替えは、基本、1週間に1度を目安に行います。ただし、これは忙しい現代人の皆さんを基準とした目安であって、気が付いた時に、こまめに栽培水を足してあげたり、本当は、1週間に2~3度、水替えをしてあげた方が、やっぱり盆栽は生き生きとしてきます。栄養は十分なのですが、どうしても水の中の酸素が不足しがちになってしまうからです。(大型のAQUA BONSAIの器の底に、ぶくぶく酸素の出るエアレーションが付いているのは、見栄えのためだけでなく、そのためです。)

だから、農業などで活用されている養液栽培は、水の中の酸素不足を解消するために、モーターなどを使って、水をグルグル循環させたり、動かす必要があるんですね。

IMG_0238
養液栽培(水の循環)

盆栽は、野菜や草花と違って比較的成長がゆっくりしているので、ガラスの器に水を溜め、それを人力でこまめに交換することで栽培(ゆっくりした成長)ができるようにしています。

AQUA BONSAIは、水の中に盆栽をボチャッと入れておけば、あとは勝手に育ってくれる夢の盆栽・・・という訳では決してありません。管理を怠ればすぐに枯れてしまいます(それは土の盆栽も同様)。根や葉っぱを観察しながら、愛情を持って、楽しみながら育てていただければと思います。

「AQUA BONSAI」のホームページはこちら

AQUA BONSAI Instagram   AQUA BONSAI facebook   AQUA BONSAI Twitter

養液栽培講座②「盆栽の養液栽培」

『『盆栽』の養液栽培って本当に可能なんですか?』盆栽園や愛好家の方々などから、しばしば尋ねられる事が多い質問です。根を四六時中、水に浸した状態だと、どうしても「根腐れ」になってしまうと思うからでしょう。

しかし、「根腐れ」の原因は、‟水の量”ではなく、‟酸素の量”にあるので、例え、根を水に浸した状態でも、きちんと酸素が根に行き届くような条件を作れば、全く問題ないのです。(他にも養液栽培には、「栄養(肥料)」「水質(水素イオン濃度)」、「光」「温度」など様々な条件があります。これらのお話はまた次回に!)

「水(養液栽培)で育てた盆栽」と「土で育てた盆栽」、実は大きな違いがあるんです!まず一番の特徴が「根っこ」です。

 

_MG_1601
カエデ(養液栽培)

土の盆栽だと、根は黒くて、太くゴツゴツしているのが多いのですが、水(養液栽培)で育てた盆栽だと、真っ白で細い根が無数に生えてくるんです。通常、土に隠れて見えない根を、こんな風に見ることができるのもAQUA BONSAIの楽しみの一つなんです!本当に綺麗で、生命を感じることができます。

もうひとつの特徴が、「葉っぱ」。

IMG_7742
宮様カエデ(養液栽培)

養液栽培で新しく生えてきた葉っぱは、もう赤ちゃんの肌のようにフワフワなんです。通常、「宮様カエデ」という種類は、葉っぱがすごく硬くて(ポテトチップスくらい)、見た目も触り心地もちょっと硬派な盆栽なんです。

_MG_1139
宮様カエデ(土で栽培したもの)

比べてみるとわかりますが、葉っぱ自体は別物のようになるんですね!

「綺麗な白い根」、「フワフワの赤ちゃん肌の濃い緑の葉」、これは養液栽培の先生いわく、「ストレスがない環境」によって、‟植物の本来の姿”になった、とのこと。つまり、土だと水(養液栽培)に比べて、根が自由に動くことができず、また、肥料も少ないため、ストレスが溜まり、ゴツゴツした根になったり、葉っぱが硬くなったりするのです(それはそれで好きですが)。

う~ん、養液栽培って本当に奥が深い!!

「AQUA BONSAI」のホームページはこちら

AQUA BONSAI Instagram   AQUA BONSAI facebook   AQUA BONSAI Twitter

養液栽培講座①「夢の植物工場」

AQUA BONSAIでは、「養液栽培」の技術を作って、盆栽の水耕栽培を可能にしています。では、「養液栽培」って何でしょうか?

「養液栽培」とは(簡単に言いますと)、土を使わずに、栄養分を入れた水で植物を栽培する方法の事です。これによって、従来、田畑で育てるしかなかった植物が、どんな場所でも(例えばビルの中でも)栽培することができます。つまり、「空間(栽培場所)」の縛りから解放されます。

さらに、ハウスのような施設(植物工場)を造って、温度・湿度管理し、照明などで光合成管理をすれば、植物たちを1年中、“旬”な状態に保つ事ができ、夏の果物を冬に収穫することが可能になります。つまり、「四季(旬の時期)」の縛りからも解放されるのです。

オランダなどヨーロッパでは非常にメジャーな農業方法ですが、まだ日本ではコスト面などで広く一般的には浸透していないようです。しかし、東日本大震災の津波によって塩害に悩まされている地域で、この養液栽培の技術を使ってイチゴ栽培をしたり、日本の企業が中東の砂漠に植物工場を作り、日本の果物を栽培する実験を始めたりと、近年、日本でも注目度はますます高まっています。

IMG_1572
ビルの中でレタスの養液栽培(2013年撮影)

 

とあるファーストフード店のレタスが、ビルの中で作られた養液栽培のレタスだったり、バラなどの花卉、スーパーで1年中並んでいるバジルやイタリアンパセリなどのハーブ類なども養液栽培で作られたものが多かったりしますので、みなさんも知らない間に手にとっているかもしれません。

IMG_6426
バラの養液栽培(2013年撮影)

 

IMG_1075
イタリアンパセリの養液栽培(2013年撮影)

また、養液栽培だと、栽培中の肥料構成を厳密に管理できるので、肝臓病の患者さんのためにカリウムを除去した野菜を作ったり、リコピンを何倍も増やしたトマトを作ったりと、植物の成分すらも管理できる、夢の栽培技術なのです。

AQUA BONSAIでも、この養液栽培の考えを基に水耕栽培をしていますが、盆栽を水耕栽培で育てると、土の盆栽にはない、ある“特徴”が出たのです!!!この秘密は、また今度!

「AQUA BONSAI」のホームページはこちら

AQUA BONSAI Instagram   AQUA BONSAI facebook   AQUA BONSAI Twitter